こすずめ日記2
食事の記録を書くことからはじめました。 パソコンで書く・描く・教わる日々の覚書・・・
野いばら
           野いばらr
 
   梶村  啓二 : 著
  日本経済新聞 : 出版

   第3回日経小説大賞受賞作品
   ーー選考委員会満場一致の傑作歴史ロマンーー と、広告が目にとまった本。
  その評価と題名に惹かれました。

 
  小説って、何だろう~? と思うこの頃ですが、
  これぞ小説!と思える、素敵な本でした。
  

  丁度150年前の横浜で、生麦事件が発生、
  それをきっかけに、日・英の間が不穏な臨戦体勢となっていく時代。

  江戸幕府への諜報活動のため、大使館員と身分を偽って入国したイギリス海軍少佐:エヴァンズと、
  婚家から離縁されたという、美しく聡明な武士の娘:ユキとの恋・・・この筋書きは、普通かな?

  主人公は、現代の日本人:醸造会社のサラリーマン、縣(あがた)。
  ヨーロッパでの花の種苗会社買収する仕事の途中で、
  偶然、100年後に日本人に読んで貰いたいとメモのある古いノートに出会った。

  この本の中は、殆どがこのノートの手記・・・
  手記の主:エヴァンズの、美しい文章からは、鮮やかに情景が浮かび、清々しい薫りも感じます。
 

野いばらs



  ◆選考委員の一人、津本陽氏は、
   ”小説の内容は、言葉によって生かされるものだという事実を、あらためて知らせてくれた作品”
   と、コメントされていますが、同感です。

  ◆音楽は花に似ている。中略 楽譜が音楽の種子だとすれば、種子は花の楽譜であり・・・略 (p.47)  

  ◆エイジツ・・・うまら・・・野いばら
   野山にある木で、夏に初めに小さな白い花を枝一杯に咲かせます。
   よい匂いが辺りに漂って、それはみごとなものでございます。
   小さなとげがあって、嫌われることも多いのですが、
   わたくしは、花の中でなによりも一番好きでございます。
   それにエイジツの実は利尿、通じの薬としても用いられます。できものにも効きます。ユキは、エイジツの実の付いた
   枝の1本を花差に投げ込み、講堂に飾った。  (p.116,117)

     どれも、素敵なフレーズ~

   ただ、拘らない方が良いのかもしれませんが・・・
   日本に来て、日本語を熱心に学んだ英国人が英語で書き遺した手記、読み手の縣の言葉の置き換え?と
   いぶかしみながらも、気になりました。

  
 生麦事件 
 横浜市鶴見区生麦で、薩摩藩主島津久光の大名行列に出会った4名のイギリス人が、
 馬から降りなかったということから起きた事件。一名が刺殺された。
 詳しくは、こちらがわかり易いです。


 
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