こすずめ日記2
食事の記録を書くことからはじめました。 パソコンで書く・描く・教わる日々の覚書・・・
検事の本懐
検事の本懐

柚月 裕子 : 著
宝 島 社 : 発行
 
 著者(柚月 裕子)の作品としては、2冊めでした。
 がっかりした前回の「臨床真理」=このミスで選ばれた=の比較ではありませんでした。その時の記事
 
 とても良かったです。

 無愛想で、風体も怪しげな検事・佐方貞人の人となりが、
「樹を見る」「罪を押す」「恩を返す」「拳を握る」「本懐を知る」
 5編の短編でじわりと心を打ちます。


 
 BOOKデータベースの内容を、そのまま書き写しますと

  県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める・・・『樹を見る』
  出所したばかりの累犯者が起した窃盗事件の、裏に隠された真実を抉る・・・『罪を押す』
  同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する・・・『恩を返す』
  東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく・・・『拳を握る』
  横領弁護士の汚名をきてまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く・・・『本懐を知る』
  骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が、見事に融合した極上の連作集。

 

  5編の一つ一つがとても良い短編小説です。
  視点を変えながらも関連深い内容で、最後の第5話で、納まりが付きました。


  5編とも自然で、ありうることを巧く書く人だなぁ~と惚れ惚れ読まされました。
  これからも期待します。


  第2話:<罪を押す>と、
  第5話:<本懐を知る>が、特に好き。
  じ~んと涙ぐんでしまう部分似も出会いました。


  ところで、法律用語の機器及び豆知識をちょっとだけ・・・

  懲役刑禁固刑の違い、わかりますか?

  答は、
    労役の義務があるかないか、です。

  第5話の<本懐を知る>で、『お父さんは懲役二年の実刑判決を受けた』(P289 P307)。
  『黙秘を貫いて禁固刑を受け入れたのか。私はそれが知りたい』(P348)と、
  同じ佐方の父親の罪状に、表現 の違がありました。
 
  更には『実刑を免れようとすればいくらでもできたはずだ。それなのに、なぜ弁護士は・・・』(P288)
  という記者 の疑問の言葉もありました。


  どっちが本当で、どう違うのか?の答えが、 の労役の件でした。

  監獄に拘置された事を強調する意味では同じ事のようです。





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この記事のコメント
有期禁固刑は罪が軽い場合に、
無期禁固だと重い場合に多いらしいです。
ほとんどの禁固刑者は、
刑務作業を希望するそうですね。
やはりどんな人間でも、
ずっと一生、ただやる事が無いというのは
誠に苦痛なものなのですよねー。
人間の本質ですね。わかる気がします。

あ、なんか本の本流と、それたコメですみません(^^;)

確かに~
タイトルの「検事の本懐」というのに
なんだか本作の奥行きを想像、
期待してしまいますね。
  1. 2013/04/30(Tue) 21:02:17
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  3. レイまま☆ #
  4. [ 編集]
柚月裕子さんの本は読んだことないけど、
面白いようですね?
機会があったら読んでみますね?

短編はあまり読まないんですが・・・

弁護士の汚名を着て死んだ男で本領が分かるのですね?
  1. 2013/04/30(Tue) 21:30:48
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  3. ぶらっくこーひー #
  4. [ 編集]
懲役刑と禁固刑、犯罪の種類にも寄るでしょうが
労役を課されるのが懲役刑だと、
禁固刑はジッと独房の中にと思っていました。

こちらの作者はまだ読んだことがありませんが
おもしろそうですね。
ここのところ本が読めません、連休明けには読みだすわ。
  1. 2013/04/30(Tue) 21:46:17
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  3. スギママ #
  4. [ 編集]
おはっ (^^
 短編で5話の構成。
 短編だと、読みやすいですね。
 でも、なぜ?短編を5話にしたの?
 なぜ、その5話の構成なの?
 疑問が湧いてきますね。

 泥臭い部分や、スカッとするキレが取り混ぜてあるのかなぁ~ (^^
  1. 2013/05/01(Wed) 06:44:02
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  3. Thりーど #
  4. [ 編集]
検事の小説ですか。
キムタクのドラマで検事のドラマが以前ありましたね。阿部寛も出てました。
刑事小説で短編は時々物足りなさを感じますが、やっぱり横山秀夫さんのものは面白いですね。
これはいかがでしょう。
短編なら今でも少しずつ読めるかな〜。
  1. 2013/05/01(Wed) 07:25:38
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  3. yoyo #
  4. [ 編集]
レイまま☆ さん♡
わ、ご存知でしたか?
私は・・・あら、そうなんだ^^って、初めて気が付きました。

>やはりどんな人間でも、
>ずっと一生、ただやる事が無いというのは
>誠に苦痛なものなのですよねー。
 ・・・そうですよね。
 自分の居場所が、ないと落ち着きませんね。

先日の冤罪の後だっただけに、良い本を読んだ実感がありました。
今朝の朝刊で、冤罪で逮捕された若者の無罪がわかって、謝罪された記事がありました。
やはり、と怖くなりました。
  1. 2013/05/01(Wed) 10:35:22
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  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
ぶらっくこーひー さん♡
柚月裕子さんの本、前に読んだものは好きになれませんでした。
これは、良いです。

ひょうひょうと、ヌーボーと生きているように見せながら、
信念を持って罪と向き合う、そんな佐方。
とてもほっとした本です。
  1. 2013/05/01(Wed) 10:36:00
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  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
スギママ さん♡
やはり、ご存知でしたか?
私は、これまで関心もなったからでしょうか、初めてナルホドと思いました。

この作者の物は2冊目ですが、
これは好きでした。
話の自然さと文章も好感が持てました。

機会があったら読んでみて下さい。
でも、それどころではないようにもお見受けします。
アートシェープ、どんどん上達されていますもの。
  1. 2013/05/01(Wed) 10:36:51
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  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
Thりーど さん♡
何故短編5話にしたのか?
・・・作者の意図は推測ですが、
長編の『章分け』と基本的には同じだと思いました。

ただ、『章分け』より、一つ一つが起承転結もはっきりしていて収まりが良いと
感じます。
個人的にはこういうのは好きです。
  1. 2013/05/01(Wed) 10:37:53
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  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
yoyo さん♡
これは、女性の作品ですがどことなく横山秀夫さんに通じるような感じがします。
事件を書くというより、その裏の人間が書かれています。
好きな本でした。

キムタクや阿部寛の検事ドラマ、そういえばありました。
思い出しました~
  1. 2013/05/01(Wed) 10:38:31
  2. URL
  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
最初に「その時の記事」を拝見したので、
「とても良かったです。」がすごく意外でした。

5編もあって、全部良かったなんて!

こすずめさんの最初の記事からすると、
作家として成長なさったということなのでしょうか。

一度否定的な評価をしてしまうと、その後もう読まなくなってしまうのですが、
それはいけないことですね・・・
  1. 2013/05/01(Wed) 13:17:03
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  3. Yuki #
  4. [ 編集]
Yuki さん♡
>一度否定的な評価をしてしまうと、その後もう読まなくなってしまうのですが、
>それはいけないことですね・・・
 ・・・どうしても、以前読んだ物に引きずられますね。
 これ、多分自分では買わなかったと思います。
 よく本をお借りする、後輩から借りたので読みました。

仰るように、作者が大きくなられたのか?
それとも、内容が良かったのか?どちらでしょうね。

5編とも、とても良かったです。
  1. 2013/05/01(Wed) 21:08:24
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  3. こすずめ #
  4. [ 編集]
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