こすずめ日記2
食事の記録を書くことからはじめました。 パソコンで書く・描く・教わる日々の覚書・・・
逃亡
逃亡

帚木 蓬生 : 著
新潮社 : 発行
単行本で読みました。小さめのフォントで622ページは、重かったです。

諜報活動に明け暮れた香港から苦難の末に辿り着いた日本。が、祖国は戦争の人身御供とするべく逃亡憲兵に襲いかかった。国家とは何か。責任とは何か。愛とは、死とは…。元憲兵の逃亡行、緊張感とヒューマニズム溢れる2千枚。柴田錬三郎賞受賞。
                           (「MARC」データベースより)



   この作品を書く為に作者は作家になったらしい。
   そして、主人公は、帚木さんの父上らしい。
   そうなんだ・・・。この本の素晴らしさ、それで納得できたような気がしました。

   簡単に言ってしまえば、元憲兵の戦犯逃れの逃亡記。ですが、ぐんぐん引き込まれてほとんど一気読み。

   第二次世界大戦時に、中国で憲兵をしていた主人公:守田征二は、
   一枚の赤紙で戦争に駆り出され、命令に従って懸命に任務遂行。。。

   天皇のためと信じ、お国のためと信じた日本軍は、
   中国や香港での略奪、焼打ち、凌辱、レイプ、拷問など残忍で、非人間的な犯罪行為を本当にしたらしい。
   それらを見逃し、現地密偵を使ったスパイ行為の頂点に立つ憲兵は、敗戦と共に、戦犯として追われる身に。

   この本で、憲兵や戦犯に対してイメージが変わりました。
   怖い・非道で権威を笠にかける象徴と感じていた憲兵は、実際は真面目な人たちが多かったのかと、
   やり切 れない気持ちになりました。

   国家権力によって徴兵され、
   戦地に赴き、軍隊としての命令の中でお国のためにと行った活動が罪に問われる理不尽さ。
   終戦後、世に出ることがないB・C級戦犯に対する扱いと、
   その中で多くの憲兵が裁かれていったという事実が直接・間接に鮮明に描かれています。

   戦争は人を人でなしにする。戦争は怖い・・・と改めて実感しました。

   それにしても、ここに書かれている憲兵の実態は新鮮で、貴重なことです。
   元憲兵の殆どが鬼籍に入られているでしょうし、
   そうでなくても、自分達の行為は他人に語れないことでしょうに。。。素晴らしい取材力です。



   有難いことに、今のわが国は平和です。
   そして、贅沢です。
   最近話題になっている食品偽装にしても、平和で贅沢な証でしょう。

   戦争中・戦後の日本では、食べ物にブランドは求めませんでした。
   いえ、それどころではなかった筈です。

   これを、平和ボケ と言うのではないでしょうか?
   少し、原点に返って考え直すことは、今では無理なんでしょうか?






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