こすずめ日記2
食事の記録を書くことからはじめました。 パソコンで書く・描く・教わる日々の覚書・・・
あぶり繪 ---- 素敵な挿絵、ちょっと入れてみました。

あぶり繪上下星川 清司 : 著
日本経済新聞出版社 : 発行

大正末期~昭和初期の浅草の人間模様が生き生きと描かれています。

2001年~02年、日経新聞夕刊の連載小説だったらしい。
新聞小説はほとんど読んでいるのに、不思議に記憶にありません。この本、装丁も良いし、挿絵(穂積和夫)もいいのに・・・何故だろう?



  星川清司という著者、いいなぁ☆
  説明はほとんどないのに、人物像や風景、雰囲気がすぐそこにあるような・・・
  江戸言葉でしょうか、言葉使いも文章も切れがよくてリズムもあって、心地よい!

  プロフィールで、納得です。
  浅草出身で大映映画 市川雷蔵の「眠狂四郎シリーズ」や、勝新太郎の「座頭市」等々の脚本を書いた人。
  1989年で「小伝抄」で直木賞受賞も、でした。映像の世界に住んだ人だったのですね。


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  文中からの引用が、帯にありました。そのまま写します。


  上巻 
    「いいから殺しなさい。私を殺して」
   あの震災の火の中で、銀子は言った。忌まわしい声だった。
    いつまでも引きずっていないで銀子なんか忘れてしまえ、と鏡の中の昌平が言う。忘れようにも。おれの中に
   いる銀子がとり憑いて去ろうとしないのだと心の底で昌平がつぶやく。
    銀子が娼婦であったか、なかったか。そんなことわかりはしないよ、と鏡の中の昌平は顔を歪めた。たとえそう
   だったとしても、それがいったい何だ。女には誰だって娼婦が身を潜めている。男が獣であるように。

     

  下巻
    美を追い続けることは死に至る。
    芥川は文章の美を追い、鬼となって生(いのち)を自ら絶った。佐伯は絵画の美を追うあまり狂ったのかもしれない。
    双方の美をともに追いはじめようとおもい初めていた昌平は、二つの死に戦慄した。マキの目にも昌平の沈黙
   は異様に見えた。けれど、三千代がいるので問いかけることをためらい、その場を離れた。
    「パリを見たい。佐伯をとらえ、狂わせたパリとは、どんな街なのか、……その姿を見たい」
    心の中で昌平はつぶやいていた。





  関東大震災を挟んでの浅草模様に絡ませて、
  物知らずな私でも知ってる!と親近感を抱く人々や場所がぞろぞろ出てきます。

  順不同に思い出せば、
  サトウハチロー・川口松太郎・久保田万太郎・浅草オペラの田谷力三・藤原義江・エノケン・ 築地小劇場創設期の
  杉村春子に、小山内薫・山本安英・東山千榮子・・・そして、十二階下とか神谷バーとか電気ブランetc.

  そんな実在の人々に混ざっての主人公たち、
  もしかして、みんな実際に居たの?とドキドキしながら、楽しんだり切なくなったり・・・

  あぁ~~
  この本は手放せない。

  この本の魅力は、実はもう一つあります。
  それは、女性の衣装です。
  読んだだけで惹かれます。どれも私の好きな取り合わせ・・・

  できたら追記に取り合わせてみます。

 
  えっと・・・
  「縞紬に黒地の帯を下目に」
  「あさぎ鼠地に濃納戸ひと色の羽織の下によろけ縞の様に枝垂れた柳を濃紫に近い藍ぼかしに黒繻子の帯」
  「鈍色に染めた紬の着物に黒地に流し水という柄の帯」
  「華やいだ黒にちかい紬にすがれ菜の花の塩瀬の帯」
  「渋い紬の着物に吉野格子の帯」 
  といった衣装のヒントから、いろいろ探したのですが無理です。私には。。。

  ネット世界をさまよって。寄り道ばかり・・・
  映像化されたらうれしいのですが。

 

    
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